2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

感度・特異度の計算や比較をRで実施する

はじめに 今回は、以前書いた感度・特異度に関する記事のRでの実施例を紹介する。 mstour.hatenablog.com 例題として、Alonzo et al.(2002)[1]で引用されている前立腺がんの早期発見に用いる診断法を比較した研究結果(Smith et al.(1997)[2])RACIAL DIFFEREN…

状態空間モデル:(3)推定(平滑化と予測)

はじめに 今回は、以前書いた状態空間モデルの話の続きを書いていきたい。 mstour.hatenablog.com 平滑化(Smoothing) 状態空間モデルのフィルタリングとは、現在までに得られているデータをもとにして、(観測されない)現在の状態を推定するという行為であ…

相関係数をRで計算する

はじめに 以前に相関係数の話をしたが、Rでの計算方法を今回あわせて書いておきたい。 mstour.hatenablog.com Rで計算 相関係数の話で、次のような図を例に出した。 2変数の様々な関係性と相関係数の例(Schober et al.(2018)より引用)今回は同様のデータを…

状態空間モデル:(2)推定(概要とフィルタリングについて)

はじめに 前回、状態空間モデルの概念を簡単に紹介した。今回は、得られたデータに基づいて状態パラメータの「推定」をしたり、将来の観測値の「予測」をしたりする方法を説明する。状態空間モデルの状態の推定について、「フィルタリング」「状態予測」「平…

2値データの解析:(3)割合の信頼区間(1標本)

はじめに 今回は、関心ある事象の発生する割合(例えば疾患の発生割合とか、例えば内閣支持率とか)の信頼区間について話してみたい。1標本割合の信頼区間でよく使われる(よく使われるのは僕の身近なところでの話かもしれないが)、Clopper-Pearsonの信頼区…

RでKaplan-Meier plotを作成する

はじめに がんの治療後の生存期間や、心筋梗塞・脳卒中などの疾患の発生までの期間を記述する方法としてよく用いられるのが「Kaplan-Meier plot」と呼ばれるグラフである。例えば下記の図は、乳がんに対する2つの治療法の生存期間をKaplan-Meier plotで要約…

状態空間モデル:(1)基本概念

はじめに 時系列的に変化するような現象に対する統計手法として、状態空間モデルと呼ばれる方法がある。状態空間モデルは広く応用可能な柔軟な方法であり、規則性のない複雑な構造の時系列データに対しても用いることができるとされている。今回はモデルの基…