実験計画法

多重比較の前に分散分析をやらないといけないの?

はじめに また今回もちょっとした覚え書き程度の内容ですが・・・時々ご相談を受けたりするテーマなので、少し整理しておきたいと思います。連続データに関して、ある要因の水準が異なる複数グループ間の比較を行うようなとき*1、第一種の過誤確率*2をコント…

有意水準と検出力について考えてみよう

はじめに 前回の記事では、ランダム化比較試験について架空の事例をもとに考えていきました。その中で、両側5%の有意水準(Significance level)で検定を行った場合、「本当はグループ間に差がないのに間違って差があると判定する確率は5%になる」という話をし…

シミュレーションで理解するランダム化比較試験:(2)処置の効果を正しく推定するために

はじめに 前回は、異なる処置をランダムに割り当てれば、処置のグループ間で対象者の属性が偏らずにバランスするというお話をしました。 mstour.hatenablog.com 具体的には、内容の異なるクーポンAとクーポンBのどちらがより売り上げの増加につながるかを検…

シミュレーションで理解するランダム化比較試験:(1)ランダム化の効果を確認する

はじめに 異なる処置の間に効果の違いがあるかどうかを評価するための方法として、「ランダム化(Randomization)」と呼ばれる方法が広く知られています。ランダム化は、処置の効果を歪める*1さまざまな要因の影響を取り除くことができ、処置と結果との因果関…

線形モデルにおける交互作用

はじめに 前回の「ダミー変数」についての記事の最後に、連続型とカテゴリー型の説明変数が混在した線形モデルが登場した。 mstour.hatenablog.com このようなモデルを模式的に図解すると、縦軸に目的変数の値(点数)、横軸に連続型変数(学習時間)の値が置…

基本的な多重比較法

はじめに 例えば、5種類の異なる薬剤の効果を調べたい状況を考えてみよう。どの薬剤どうしの間に効果の違いがあるかを知るためには、様々なペア間の比較を試したくなる。このような時に統計学的な検定を繰り返し行えば行うほど、どこかのタイミングで本当は…

一元配置乱塊法

はじめに 以前、1要因実験データの解析方法である一元配置分散分析を紹介したが、説明を単純にするために局所管理(ブロック化)を行わない完全無作為化実験の場合を考えた。 mstour.hatenablog.com 今回は、ブロック化を考慮した実験である乱塊法(Randomize…

一元配置分散分析

分散分析(Analysis of variance; ANOVA)はさまざまな統計手法の中でもよく知られた方法であるが、最初のうちはなかなかとっつきづらい分野であるように思う。今回は最もシンプルな状況である一元配置(関心のある因子が1つだけの場合のこと)の分散分析の方…