2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

最尤推定量の検定

はじめに 線形回帰分析をはじめとする一般化線形モデルにおいて、説明変数が関心ある結果(統計モデルにおける、で表される側。以降では「目的変数」とする)に統計的に有意な影響を与えているかを判断する目安として、いくつかの検定方式がある。今回は比較…

マルコフ連鎖モンテカルロ法(3)マルコフ連鎖について振り返る

はじめに 前回2回は頻用される2つのアルゴリズム、MHアルゴリズムとGibbsサンプラーについて述べた。しかし、まだMCMCのそもそもの前提条件についてを述べていなかった。今回はマルコフ連鎖についての話をまとめる。 マルコフ連鎖 時点にしたがって状態が推…

マルコフ連鎖モンテカルロ法(2)Gibbsサンプラー

はじめに 引き続き、非常に多く利用されるMCMCのアルゴリズムの1つであるGibbsサンプラーについて述べる。 Metropolis-Hastings(MH)アルゴリズムにおいて、多次元の提案分布からサンプリングすることが難しい場合に、サンプリングしたい変数をいくつかのまと…

マルコフ連鎖モンテカルロ法(1)Metropolis-Hastingsアルゴリズム

はじめに ちょっと趣向を変えて、ベイズ統計モデルでの推定に広く用いられているマルコフ連鎖モンテカルロ法(MCMC)について書いていこうと思う。統計解析をする時は、例えばSASという統計ソフトで言えばproc mixedなどのプロシージャ(組み込みのパッケー…

共分散分析と前後差のt検定

はじめに 医学や心理学などでは、ある介入行為の効果を評価するために、ランダム化比較試験によって介入群と対照群とのアウトカム(血圧などの何らかの測定値だったり、質問票の得点など)を比較することがよく行われる。しかし、ランダム化を行ったとしても…

Poisson回帰

はじめに 回帰分析というと、表現したい事象の確率分布(誤差の分布、という言い方をする場合もある)として正規分布を考えるいわゆる線形回帰がよく用いられるが、その他の様々な確率分布にも対応できるように拡張された一般化線形モデルもよく知られている…

2値データの解析:(2)Fisherの正確検定

はじめに 前回は、対応関係のない分割表の基本的な解析方法であるカイ二乗検定を紹介した。今回は、同様な形式のデータに対して用いられるもう一つの方法、Fisherの正確検定について述べる。 Fisherの正確検定(以下、Fisher検定とする)とは、カイ二乗検定…